アカプログ

2006年 10月 24日 ( 1 )




侵食される島

入院している祖母に会いに、母と車で出かけた。
話しながら体をさすっていると、1年前より手触りが
しっかりしている気がした。
顔色も元気そうで、何より安心した。

帰り道、母の実家のある通称「大根島」へ足を伸ばす。
祖父や大叔父大叔母のお墓参りだ。
風の強い月曜日、車窓から、オランダみたいに山の無い
平坦な島の道を眺める。

幼い頃は、夏休みの大半を一人でこの島に預けられた。

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帰国する1週間前、なぜかYou tubeで、trick(数年前のドラマ)を
シリーズ3部作全部見た。阿部寛と仲間由紀恵。
お約束に事件が起こり、ほぼ毎回同じように展開していくのが、
一種快感になって見続ける。
外国にいながらして見て思ったのは、
“美しさ”ではない「日本の田舎」をうまく撮っているなあということだ。

大体毎回どっかの山奥に行って、新興宗教やら閉鎖された村やらに
潜入する。そこで描かれる田舎は、八墓村とかの、徹底した創作より
断然リアルで、美化が排除されている。
で、ちょっと変な部分がデフォルメされている。

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島のそこここで、黄色い花が群生していた。
思わず、
「あれなに?きれいだねえ」と母に言うと、
「あんた知らん?、アレはセイタカアワダチソウって言って喘息の元だがね。
ほんと繁殖力が強くてねえ」
「へえ~」

後日調べてみると、セイタカアワダチソウは帰化植物で、最初
ブタクサと間違われ、花粉症の原因として忌み嫌われたそうだが
どうやら誤解だったと分かる。ただ、やはりその並外れた繁殖力で
いまいち好かれないということには代わりがないようだ。

そういわれてあらためてみてみると、
セイタカアワダチソウの群れは、そこここの空き地にある。
正直最初の2~3箇所は笑ってみていられたものの、あまりに多くて、
途中から少し怖くなった。多分航空写真で見たら島は黄色い色を
しているんじゃないだろうか。

一見のどかな光景に見えるが、ある量を超えるととたんに不安になる
のは不思議だ。
誰かの悪意によってしつらえられたかのような錯覚を覚える。

また平日の田舎の午後なんて、殆ど誰もいないし、
不自然な量のお花畑に、人っ子一人いない廃墟ではない街。

侵食される島。

なんか「trick」みたい。
って思った。

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ちなみにセイタカアワダチソウは、自分が繁殖するために、
根っこから他の生物の生育を阻害する「毒」を出し、群生を
形成するが、その土地の養分がなくなると、自分の毒で自ら死滅する。
つまりは、種を飛ばしたさきでまた群生を形成するが、結局はその地に
とどまることもできない。
なんかその辺も、感慨深い植物だ。

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島は侵食されているかに見え、その植物はその島に永住することは
できないのだ。人っ子一人いない道で、悪意があるのは
いったいどっちなのか?と考える。
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by aka_pro | 2006-10-24 13:15 | 日々 japan

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